箱庭にて 序章 (未完成)/黒ヱ
 
※編集途中であり、未完成です



発見


痩せ細った黒衣の子
「あらあら、これは一体どうしたことか」
 その少年は何か面白いものを見つけたようで、内心では湧き上がる泉水のように高揚していたが、何を思ったか平然なふうをしている。

 そこには元々何もなかったのだが、ある日突然、徒に気まぐれが重なり偶然が偶然を呼んで至るものが産まれていった。それらは、これまた奇妙なことにその子が否応無く思い浮かべたものという点でのみ共通している。
重ねて言うが、ここには何もなかった。何もなかったのだ。それが常だった。
いつからか、(その「いつ」かとは、その子が突然に思考を思い巡らせた偶然
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