杉本清名実況十選/平瀬たかのり
 
えています)。
 実際のレースは4コーナーでテイオーの脚色が鈍り、最後の直線での一騎打ちとはなりませんでしたが、主役二頭を引き立たせようとする氏のアナウンサーという立場を越えた、演出者、かつファンの代弁者としての「どっちも負けるな」は微笑ましくも胸を打つがあります。

・「うわ〜、差が開いた開いた。これは強いわ強い。差が開いた、開いた。ぐんぐんぐんぐんゴールへ向かう。トウショウボーイ、拍手がわく、拍手がわく、これは大楽勝、トウショウボーイ1着!」
                      (昭和51年 第24回神戸新聞杯)
 トウショウボーイが「天馬」の異名を持つ名馬だったからこそ「貴
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