杉本清名実況十選/平瀬たかのり
、レースがどれほど繰り返されようと、この有馬記念を越える「競走」が現出することはない、そう断言できるほどの永遠不滅のマッチレース。関西テレビのアナウンサー、杉本氏が中山競馬場で行われるこのレースを実況することになったのは、テンポイントの海外遠征に備えてのことだったといいます。これもやはり「縁」というものでしょうか。けれど翌年「流星の貴公子」は雄飛を叶えることなく、逝ってしまいます。
流星とは、馬の顔面に流れる白毛のこと。それを愛馬の疾走に重ね合わせることにより、その栄冠をいっそう際立たせた言葉の魔術。
そして最後に「天馬」トウショウボーイを讃えたことにより、このレースが「競走」であったこと
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