さきくさの咲く頃に/
大覚アキラ
衣擦れの音の軽やかさが
春がすぎたことを告げる
夏のはじまりは
眠りの季節の終わり
彼方に見える稜線から
歌声とともに虹が湧き立ち
ゆるやかな目覚めが
きみの奥の火種に熱を与える
光を孕んだ衣は輝くばかりで
きみは燃えるように眩しい
終わることのない祝祭は
まだはじまったばかり
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