喉に詰まる、言葉潤して/北橋勇輝
喉に引っ掛かる
言葉を出せない
喉の痛みは
昨日から
引きずるように
引きずられるように
能力の低さを思い知る
声が変わっても
僕の顔だけで認識してよ
間違えられるヴァージン
焦るチェリーボーイ
夜の街を闊歩する
女が吸う煙草の煙
数年前を横切る
接点を指でなぞる
夕日に食べられた子供たち
死体に糞を落とす
シューゲイザー聴いて帰る女生徒
草の匂い嗅ぎながら
靴が変わっても
僕の足音だけで認識してよ
閉まることないコンビニ
やる気のない接客を受け止めて
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