ボロボロ/
ハァモニィベル
の耳が聴いたのか、
左の耳が聴いたのか、
――恐らくは誰も、わからない。
英国式迷路で構成された脳髄の景色の中では、
嗅ぎつけて漂いはじめた埃で喉をやられた聖歌隊が
降りつもる苦い砂の呵責を踏みつけて行進を続ける。
何の変哲もない孤独が、寂しがり屋のマネキンと共に乗った
停車し続ける列車。
行き先の印字が掻き消えて見えない
皺苦茶の切符、ただそれだけを握りしめたボロボロ
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