それぞれの果て/黒ヱ
愛を またどこか遠くで呟く人がいる
たった一人ぼっちで
空が黒む 色は無き様に吸い込まれていく
細れに浮かぶ 光の点々が 見下ろす木々を照らしはしないように
影の増すは やがて見境もない闇を落とす
悲しみのまま
駆け出して
別れの指先から 語られることに震え
さ揺らぎに乗り 突き放してしまう
川の道より 互いに離れ
淡色となり 消えた
左手を眺め その輝きのなさに
「こんな季節なのに 凍えてしまいそうさ」
約束結ぶ指の 切なさよ
流れ行き着く 結ばれなかった星々が
落ちては また 落ちていき
次こその 固い糸を紡ぐ
そう 絶える事はなく ず
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