春の熱気/小川麻由美
 
朝なのか夕方なのか
それさえも知らせてくれない
空と時計の冷たさ

むっと感じる春の熱気
散らないでおくれ
願う間もなく

風の力で1枚2枚と
枝から引き剥がされ
花びらは宙を舞う

じきにアスファルトが
淡いピンク色に変化する
容易に想像がつくこと

嗚呼 また春を迎えられた
四季を讃えつつ
地面の花びらを踏む
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