【HHM2参加作品】 世界最短の詩/ハァモニィベル
 
を目の前にして、さあ、と一斉に注目された瞬間、頭のなかが真っ白になってしまうといった、何かの拍子に起こるホワイトアウトもまた「記憶喪失」である。あの突然の状況、困惑を、字数を尽くした表現でいかに喚起したとて仮想にとどまるのではないだろうか。突然の喪失の不安感を、あるいは、あの、ピンチに墜ちた一瞬を、これほどダイレクトに喚起できる詩――しかも、ネット詩の特性を生かした――は、他にあるまい、と筆者は思うのである。
 
 というわけで、ここに世界最短詩の作者であるハァモニィベル氏の栄誉を讃えて小論を終わりたいと思います。――この記録はおそらく破られることは無いであろうと筆者は思う(何せ文字数0の詩ですから)わけですが、異論のある方は、是非、<詩とは何か>をわたしに教えていただきたい、と切に(けっこう真剣に)お願い申し上げます。







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