いつからわたしはここに居る/中山 マキ
何度話しても苦手意識を感じる相手へのお愛想
豆腐とわかめが入ったお味噌汁の味
左右対称非対称すべて
ボタンの掛け違いのような勘違いもすべて
昨日と今日の差がないものだから
気持ちの所在が明らかにならない
与えられるままに食べて
指示されるままに起きて
高齢者はいつの間にか軍人へと戻っている
わたしもいつかは入隊する
どうやら休まらなくても
人生は過ぎているようで
わたしはいつからここにいて
どこに帰ろうとしているのか
問いたい相手の人生もまた
同じように過ぎているので
手を繋いで歩こう
せめて迷子にならないように
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