【 おばさんラプソディー 】/泡沫恋歌
初めておばさんと呼ばれたのは
娘を保育園に預けて働き始めた頃だった
仕事が終わって迎えにいくと
小さな子どもたちが
今度は自分の親の番かと
わくわくしながら遊んでいる
時間外保育の部屋に入っていくと
必ずどの子かが、
「○○ちゃんのおばちゃんがきたでぇー」
大声で知らせてくれる
積み木に夢中だった娘を急かせて
帰る準備をする間にも
「おばちゃん」「おばちゃん」と、
暇を持て余した子どもが私に絡んでくる
たぶん 早く親に会いたい想いと
寂しさもあるのだろうか
子どもにおばさんと呼ばれるのは嫌いじゃない
私もお母さんだという自覚が生まれた
あれから長い歳
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