当たり前だった物事を喪失した先の日常/中山 マキ
 










突如飛来する非日常
そこは時間の経過と共に
半ば強引に日常と化していくだけのもの

溶け込むまでは物質に近く
しこりのように
胎内に枝を張るので

狭間に存在している絶望が
頼みもしないまま呼応して
執拗に手招きする

当たり前だった物事を喪失した先の日常とは
ただ、想像することの出来ない現実
受け入れるしかない定め

たとえそこに救済があっても、なくても
わたしはその淵で立ち尽くし
あなたの名を呼び続けることしか
なす術がなかった







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