アーバン・ライフ/大覚アキラ
 
コンビニのある風景の中で
あたりまえのように生きている

交差点に立って周りを見渡すと
視界に5軒ものコンビニが存在する
そんな生ぬるい便利さと手軽さに
日々愛撫され続けている生活を
無条件に愛している

都市に生きるということは
そういう価値観に染まるということ

時々
逃げ出したくなる先は
ひなびた温泉地でも
ゆったりとしたリゾートでもなく
ただの圏外
電波の届かない場所

若く柔らかな緑の芝生が
足の裏をくすぐる感触を
いま裸足で踏みしめながら
姿の見えない鳥のさえずりに
恐る恐る耳を傾ける
そっと
肌を撫でていく風に
何かから切り離された
[次のページ]
戻る   Point(7)