テリーヌのミステリー/ブルース瀬戸内
 
まるでテリーヌのようだよ
あらたまった声音でもって
そんなこと言われても困る。

僕はテリーヌっぽくはない。
と、強がってはみるものの
実はテリーヌ顔かもしれぬ。
テリーヌ丸出しかもしれぬ。
自我が安易に揺さぶられる。

千歩譲ってそうだとしても
万歩譲ってテリーヌ顔でも
人をテリーヌに喩えるなら
相応の覚悟を持ってほしい。

テリーヌに対しても失礼だ。
反テリーヌ的と指弾されて
テリーヌ法違反にあたると
罪に問われる可能性もある。

誰が何を問われてしまうか
具体的には分からないけど
そんなところも全て含めて
まるでテリーヌのようだよ
と、テリーヌ声で言われて
僕が納得すると思うのなら
それはわりかしお門違いだ。

テリーヌは好きではないし
何ーヌが好きなのかすらも
分からないのが現状である。
ただ真摯にこう思うだけだ。
いや、そのテリーヌって何?

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