優しいひと/村上 和
 
痛みを
覚えている

気が遠くなるほどの
長くて短い
日々が流れても

夢で会いましょうの約束も
できないまま泣いてる男の子
いつだって逢えるでしょうと笑う
優しいひとの手を

離さないで
離さないで


気が狂いそうなほどの
ありふれた
忙しい日々の途中

雨も降ってやいないのに
傘なんてさしているから
どうしたんだろうと思ったら
なみだ隠していたんだね

話さないで
話さないで

知ってるよ
本当に
痛かったろう
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