ANGELIC CONVERSATIONS/カワグチタケシ
大人は判ってくれない
どうでもいいような深刻な悩みと
爆走するハートを抱えたまま俺たちは
夜の待つ街へといつもいつも
それには理由がある
夏の朝まだ明ける前に飛び出していくフルーツたちを
追いかけて走り出したリアウインドウから
思い切り手を振る君はまるで見捨てられ雨にうたれる小犬
だから俺は笑い出したいのを必死でこらえ
それでもこらえきれずにすこしだけ笑う
ジーザス 大人は判ってくれない
それでも文明は 文明の産み落としたハードウエアは
いくつかの思いもよらない夢を叶えてくれた
朝焼けのいちご畑から
遠い土地でまだ眠っている恋人におはようの言葉をおくる
どしゃ
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