雪・松戸/……とある蛙
遠い昔の冬景色
吹雪いた白い彼方から
蒸気機関の汽笛音
ポッポーと遠く聞こます。
白い息を吐きながら
走行する機関車の車輪の音(ね)
今、眼の前の雪景色
儚く消え去る場違いな
音無き静寂の郊外の
街灯だけがぽつりとぽつりと
松戸は白い花に埋もれることを夢見て
ぽつんと
街灯だけが辺りを照らし
町は白い布団で眠っています。
朝起き抜けに落ちる雪
朝の挨拶そこそこに
ここかしこの初対面
落下する雪のその上に
東京へ続く足あとが
てんてんてんてん
と続きます。
雪景色の中に
また、日常が始まります。
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