三年目/蒲生万寿
 
今日の空は青く

日は明るく

春の一日は輝く



それぞれの営みはつつがなく

三年目の今日を過ごすだろう



毎日の記憶は更新され

消えるものもあれば

残るものもある



この国に住む者の共通認識として

決して忘れてはいけないものが

今もその地獄の蓋を開けている



見捨てられた町

見捨てられた人

見捨てられた未来



嘘で塗り固められ

風化させられようとしているが

事態は広く深刻に生命の中に移っている



「この国は平気で民を殺す」



三年間で自覚
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