回帰/由木名緒美
 
あなたの眼差しを入り口にして抱かれる
薄青色の抱擁はとても温かい
奥へと進めば進むほど
現世は力強い鼓動の音に打ち消され
忘我の境地へと潜り込む

何も食べず、何も必要としなくていい
あなたの心臓にぴたりと寄り添い
胎児のように身を丸めれば
神の愛という幻の概念が
従順な依存心を貪欲に食べ尽くしていく
外界は一切のお喋りをやめ
息を殺して夜明けの一波を待つ

微震をあやす揺り籠は
小さなうねりを伴って、私の重みを降下させはじめた
吐き出される世界をあらかじめ予知していたかのように
私は母神の連なりを回帰していく
守られつつ、また養分を吸い上げる寄宿者でもあったあ
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