風花の散るを/黒ヱ
 
偽りに指差し また偽りで暈す
心は鳴く 笑顔でいた景色のまま
大事なものだから 亡くせずに
零れた 憂いの雲

真白になっていく 消えていく
触れていた熱 遮り 冷やす風
呟く ほんのひと握りの本音に また強さを増し
固く閉じ込めていく 美しい思い出たち

記憶に住み着く 愛をくれた一人の
座る 腰掛ける氷の 冷たさよ
それでも 見える 絶える事のない 綺麗な顔
遠くなっていく 手を振ることはないまま


絆の強さを 比べる意味は無くて
この先を見据えるのは その幼さだから また抱きしめた
雛と この巣の中で

「会いたい」 と 初々しさに染める 
まだ見
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