されど、死ぬのはいつも他人/藤原 実
 
は別
   の三次元世界に送り込まれた自分自身を、われわれは発見する。アリス的なこの別次
   元への突入は、われわれを不安なめまいに陥しいれる。自分が安住していた《安定し
   た記号の体系》が瞬時にして覆えされたからである。そしてもちろん、その《めまい》
   は不安のそれであるとともに、「自同律の不快」(埴谷雄高)と日常性の桎梏から解放
   された痛快さでもある。
    共同体の全秩序が言語という記号体系の安定性に依拠している以上、なぞなぞは反
   体制・秩序攪乱の危険を秘めていると言わなければなるまい。」

なぜ、唐突にこんな文章を引用するのかというと、この「アリス
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