明日にならなきゃ出来ないコトだらけで
今日を持て余してしまう/武富諒太
明日にならなきゃ出来ないコトだらけで
今日を持て余してしまう
蝉が鳴いている
夕立がやって来た
ほつほつと落ちる雫を
木々の葉が受け止めきれず
地を這う水が泣いている
明日にならなきゃ出来ないコトがありすぎて
今日は今日の形をしていない
雨が止んだ途端
隣近所から流れてくる風が
ポトフ色してる
蝉が鳴いている
日が暮れても
遠くで聞こえるサイレンに
犬が答えてしまったから
とうとう梯子車までやってきた
蝉が鳴いている
夜半も すぐそこ
明日にならなきゃ出来ないコトだらけで
今日を持て余してしまう
時計ノ 針ガ 零時ヲ サシタ
また
明日にならなきゃ出来ないコトだらけで
今日を持て余してしまう
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