釜めぐり/武富諒太
父に連れられ
二度目の会津
吾妻小富士の
釜めぐり
裏磐梯から
ドライブがてら
吾妻小富士の
釜めぐり
すり鉢状の
枯茶の山肌
遠くでガイドの
声がする
枯茶の山肌
火口壁が
描く円を
つらつら歩き
火口壁を
円を描き
歩く姿は
つらつら連なり
歩く人ら
火口壁を
つらつら連なる
釜めぐりよ
火口壁を
歩く人影
つらつらつらつら
連なる山よ
つらつらつらつら
生きる孤独
己(おの)が身一つ
歩く道よ
円を描き
歩く人影
つらつら連なる
山並 遥か
誰(だ)が人生も
己が身一つ
つらつらつらつら
生きる孤独よ
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