ポエム派宣言3「ポエム進化形」/佐々宝砂
 
ギーが書いたポエムみたいじゃない?

ジャガーのポエムは、「笑わせる」ポエムというだけではない。その先を走っています。詩書きを戦慄させる恐ろしいポエムでもあるのです。普通の読者には気軽に読めますが、詩書きにとっては「気軽に読める」詩ではありません。「気軽に読み書きできる」詩がポエムなのだとしたら、詩書きにとってジャガーのポエムは、ポエムではないのです。それじゃあ、いったい、なんなのでしょう? 少なくとも、現代詩としては扱われていません。ネット詩でもありません。それなのに、詩の核心かもしれない「読者を言葉そのものに立ち戻らせる」普通でない単語の組み合わせを、きちんと持っています。疑いなく詩です。詩として扱われていないとしても、詩人として認められたわけではないヒトが書いているとしても。


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「笑われる」から「笑わせる」へのポエム的マンガの変化は、キッチュからキャンプへの変化だと言うことができる。


(初出:触発する批評/鈴木パキーネ名義/2003.8)

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