ポエム派宣言2「わからないから○○」/佐々宝砂
 
。私にはわかりませんので。おそらく、根本に根ざす問題には、答が複数あるか、あるいは答などないのです。私は、こうした難問に対しスパッと「わかりやすい」正答を放つヒトが嫌いで、そういうヒトのいうことは信じたくないし、そういうヒトになりたいとも思いません。「わからない」ときに「わからない」と言うことはひとつの権利だし、なにごとも「わからない」からはじめなくてはなりません。

「わからない」からはじめるということがどういうことか「わからない」かたは、橋本治の著作『「わからない」という方法』(集英社新書)をお読み下さい。私のこの文章はあの本にいくぶん影響を受けていますが、あくまで「いくぶん」です。むしろ
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