三ッ石にて/そらの珊瑚
んびりと謳歌しているが
それとて
月曜日を待たずに
飽きてしまう種類のものだ
陽に照らされて
プールがぬるま湯になっていくころ
ふたたび潮は満ち
天を向いて
大きな波の到来を
身一つで待っている
淡水魚にはなれない個体
僕の自意識は
ここらへんのサザエの角みたいに
尖っているから
海底のくぼみにしがみついている
それでもいつか
丸くなったら
カモメに食べられてもいいかなと思う
そんな残骸が
時折岩場に落ちている
そう、螺旋の実体を押しとどめている
蓋のようなものだよ
裏に渦の模様が描かれている、あれ
女の子は
それを拾っては
トラピスト修道院の
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