訴え/
ハァモニィベル
訴え
長い 経緯(いきさつ)と、大きな 苦しさが
短かくて 僅かな 言葉で へたくそに証言される
なんとか伝えたかと その全身のため息を
白々と狡賢い反証が 簡単に打ち消す
延々とつづく、長い長い 訴えは、
弱く弱く弱く なっていくばかり
諍いの相場に明るい裁判官は
一番いい席に座って 居眠りをする
何でもないような事に 悲しみと痛みを見出す詩人は
静かな傍聴席の片隅で 耳を塞いでも防げぬ こころの号泣を聞いた
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