啓典の記憶/2012
殺せるか」
ソルアスタは答えます。
「無論です。人倫の理がどうあれこの世は永遠に回帰する空の世界。数えるという行為が愚かしいほどに、私は既に幾度と無くパノプティコンに殺され、逆にパノプティコンを殺してきたのかもしれない。父親だとして、どうしてそれが障りになりましょうか」
ソウルフラワーは静かに頷くと、部屋の奥からホークアイとエキドナという対照的な二人の女性を呼び出しました。
ホークアイは凛とした瞳の中に潤むような光を湛え、エキドナは蠱惑的な流し目と匂い立つような艶を帯びています。
ソウルフラワーは二人の女性にソルアスタの手助けをするよういいつけました。
また、ソウルフラ
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