牙のある天使 〔物語詩〕/ハァモニィベル
 
な のたうつ苦しみ
い、一体 何が?  「これは夢ね お別れの夢ね  夢が止まらない・・」
そう泣き腫らし哭き崩れた時に、僕はその
可愛くて恐ろしい彼女の牙に 本当は 気づいたのだ

不幸が ただ平凡な不幸こそが 天使を落ち着かせ、僕を
やさしく見つめながら笑うときにはかならず 牙も笑った
天使の純粋なキスが僕に愛を教えたのは確かだ
キスの時だけ、ぼくらは愛だけになった


私だけを見て、あなたのすべてが欲しいの
ずっと一緒よ  だって


貴方が大好物だから


もう僕は天使から離れられない
もう僕が天使に食べさせる身体の部位は僅かだ
もう僕は天使から離れられない
あともう少しで、僕は天使の体内で、天使とひとつになるのだから


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