ペルセポネの悲しみ/ハァモニィベル
 


喉に巻きついた嘘の鎖
     ぶちまけて掻き消した眼差し
  厭うべきものはなく
       ただ、最後まで待てぬことばかり
     燃える羽毛の檻の中で
          暴き出され そそり勃った毒牙

         *

唇を拭う絨毯
     頬杖に捧げられた気懈さ
  与えられたものはなく
       ただ、途中まで掴み取れぬものばかり
    怒り狂う2kgの睡魔に
         片隅で彷徨い 見つめ合う仏像

         *

痺れて動けぬ青空
     虚無が遊ぶ公園
  亡くなった者は哭く
       ただ、途中から干枯らびる者ばかり
    白い頭蓋骨の砂漠に
         足を噛まれた 機械仕掛の屍

         *

幽玄な臭いローファー
    塗りたくった洗濯物の鼓動
  失われたものはなく
      ただ、始めから無かったものばかり
    刃の花束を抱えこんで
         もがき伏し 啜泣く女神






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