ポエム派宣言1「詩のわかりにくさ」/佐々宝砂
だのじゃ意味がとれません。それで、この詩の意味をつかもうとする読者は、するするといつものように自然に読むのではなく、立ち止まりながら、ひとつひとつの単語が意味するイメージを膨らませながら、いつもとは違う不自然な読み方をすることになります。幻の楽団って、雨音のことかしらん……とかね。しかし、
「雨が文学博士の帽子を都会(まち)にかぶせる。」(「娘と船乗と学生と」ロルカ)
となると、単語の組み合わせがさらに不自然になります。引用部分をちょこっと読んだだけでは、なにがなんだかわからない。実は私にもよくわかりません。わかりませんが、わからないからこそ、この言葉の組み合わせは読者をなんども言葉に
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