【レビュー】雲雀料理11号の感想 3/4/mizu K
菌』http://hibariryouri.web.fc2.com/11/ichimura2.htm
地下鉄のトンネルは生きている。
というと何のことかといぶかしがられるかもしれないのだけれど、地下鉄の、あの長く昏くつづく細長いチューブを生物の内臓に喩えたのはたしか日野啓三だったと記憶している。新陳代謝をくりかえすようにいつもどこかが工事中。地下鉄が通過すると壁といわず、線路といわず、トンネル全体がふるえているのは蠕動運動する腸のようだ。地下水の滲出による湿潤もぬめぬめとした生物の体内を思わせる。うろうろするネズミや屋外にいる家庭内害虫Gは、さしずめ腸内の微生物といったところか。その微
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