poetarot(法王のカード)保存版/みつべえ
 
は、いまだに。知らない。しかし。それは愛なのか。あなたの遺品は、錆びた薬莢。だけだった。



凱旋門を迂回した。もう、わたしの。時間の残量は少ない。棒の女王に。いきなり、ひっぱかれた。思いあたること多すぎて。抗弁できずに。夜の運河に、放尿しながら。決意した。明日の朝、いちばんで。旅に出ようと。



表面を。うすく、はがすと。地図が、あらわれ。もういちまい、めくると。石の言葉で、物語が。はじまる。あなたは、晩年。古ぼけた、マホガニーの机で。むかし収集した、頁岩ばかり。読んでいた。祖父や曽祖父と、同じように。背をまるめて。



安寧を、もとめるのなら。おおいなる。ふ
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