言葉の食事/服部 剛
 
人は、日々の食事を摂っています。  
心には(言葉の食事)が必要です。

もし、あなたが
本屋の棚に並んだ背表紙へ
伸ばした手を、引き寄せられて
開いた本の活字等の
一文字ずつを、よく視れば

かれらは脈を打っており――
それぞれ固有のからだを持っており――

本を開いた
あなたの心の入口に
無数の文字は吸いこまれ

ある日、ふいに開かれる
(第六感)の照明は
日々の舞台を、照らし出す  






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