夏の終わり/なるせ
 
き裂かれる想いに身を馳せては
また一つの夢を見るのです。
その手が繋がれることを約束して
触れるたびに

こぼれ落ちていくのです。


大切な「何か」。










目を細めてもなにも見えないよ。
あの日追いかけた影は今はもう無いよ。










緑の葉が陽射しを遮って
光の粒を落とす。
芽吹いたばかりの新緑は何も知らず微笑むだろう。光に
ただの一つの疑問も抱くことなく微笑むだろう。





(あなたはどこにいるの?)





世界は終わらないだろう。世界が嘘で埋め尽くされても。
あり
[次のページ]
戻る   Point(3)