自尊心を失う場所/瀬崎 虎彦
 
きみに似ただれかが
廊下を歩いてくる
窓のさっしは手が切れそうに
冷たい冬を具現する

ぼくのポケットに
ちいさな勇気をしまって
階段近くの垂直と平行が
自尊心を失う場所まで

高らかに歌い上げる
モラトリアム おわる
ぼくたちは忘れ物を

いつか取りに戻るだろうか
こんなにも傷つきやすい
今をさも忘れたように
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