ユリイカ/
中山 マキ
充足させるけれど
後腐れない
都合のいい場所には
都合のいい関係が出来上がる
手と手を取り合って行く
吉祥寺あたりのラブホテル
目指していた楽園も
朝になれば鴉と一緒に
空に放たれるから
泣けないほどに強がって
理屈のない感情は
ずるい言葉ばかりを
探してしまう
誰かが誰かを陥れる様子に
他人事の安心感を手に入れた
人の弱さを食いものにして
きっと地球は回っているから
どれだけ歩いても
あなたの背中が見えないはずだ
戻る
編
削
Point
(2)