詩人の庭・松田幸雄/由木名緒美
 

そのポジション こころもち傾いだ肩
だがその奇妙な天秤は正確に示していた
数冊の詩集は巨大なOEDよりも重いと
あるいは野の中の一本の大木
その美しい縞模様の幹と いろとりどりの葉よ
だが近寄ってみれば それは 二本の木
蝋燭のように静かなる炎を燃やす木と
光に映えるきらびやかな異国の木だった
だがもっと仔細にみればついに一本の木
異国風の木は育ったひこばえにすぎなかった
(聞け 主木の梢に鳴いている風の音楽)

思想以前の多様さについてあなたは語った また
愛について 経験について ひらいた掌の磨耗について
落ち着いてしずかに話すあなたの言葉の
ひとつひとつはそ
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