破棄された街灯/yuugao
 
たったの四分十一秒
すでに そのうちの
三分以上が過ぎようとしている

消えてしまいそうな気配の中で
異国の言語による雑談を聴く

「手術中」と言わんばかりの
真っ赤なネオンサインの取り立て屋

雑踏から剥がれたばかりの「夜の寒さ」が
こころの優先順位の上位に食い込んでくる

「持続」をキープする白熱灯のように
無我夢中で燃え尽くさねばいけない

ふと 血の通った音を奏でた車のクラクション
あれなら 加減を知らない人間よりも やさしい

砕けた闇が コーヒー粒のように
空に溶け込んで夜を形作っていく

いつまでも「飲み物」になってくれないライフタイムと
せっかちな秒針に貫かれていくライフワーク
戻る   Point(1)