冬至の日の夜に/くみ
 
マオイルなんかにも使われてるみたいだし、いい香りだよね」

「そうなのか?」

たまに一緒に湯に浸かる事はあるが、長湯がやや苦手な彼とはスキンシップもあまりない。
やわらかな湯の感触に意識を向けると、彼の興味は柚子に向いていて、浮かべた柚子を子供の様に楽しそうに弄っている。

「昔から効き湯に使われる位だからね」

「やっぱり植物関係の事は詳しいな。瑞樹のお陰でまた一つ賢くなったかも」

柚子を入手したのは、こうして2人で風呂に一緒に浸かる為だったのだが、何故か今日はほんの少しいつもとは違い、横から聞こえてくる彼のリラックスした優しい声は風呂場に響いて耳の鼓膜から身体の奥ま
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