沈黙の最中/
駒沢優希
私に見えるのは
遠い 遠い 過去の渕
私に見えるのは
ひどく凍えた眼
私に見えるのは
そっと 覚醒た羊の夢
私に見えるのは
雑音の狭間の揺りかご
誰にもこの肌は届かない
雑音の狭間 揺りかご 緋の痕
私が祈るとき
それは熱を帯びる
私が叫ぶとき
それは声を奪う
私が生きるとき
それは乱れ舞い
放つの如く
哀しみを捨てて
心を失って
想いを犯して
先に行ければ
それでいい
身体が囁く
沈黙の最中よ
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