沈黙の最中/駒沢優希
 
私に見えるのは
遠い 遠い 過去の渕
私に見えるのは
ひどく凍えた眼
私に見えるのは
そっと 覚醒た羊の夢
私に見えるのは
雑音の狭間の揺りかご
誰にもこの肌は届かない
雑音の狭間 揺りかご 緋の痕

私が祈るとき
それは熱を帯びる
私が叫ぶとき
それは声を奪う
私が生きるとき
それは乱れ舞い
放つの如く

哀しみを捨てて
心を失って
想いを犯して
先に行ければ
それでいい
身体が囁く

沈黙の最中よ
戻る   Point(2)