詩を救うための音楽??榎本櫻湖『増殖する眼球にまたがって』/葉leaf
に絡めとられた華やかな石化しゆく糸、波濤から波濤へ伝播する、分泌の論旨に、〈つまり陰茎は覚束ない花器として一輪のカーネーションを挿されて佇んでいる〉のであり、並ぶ死滅の瓦解に畏怖の亀裂を目撃し、抉られた鼠蹊部の暗澹と落ち窪む猶予をひときわ勤しむ……
(「陰茎するアイデンティファイ あらゆる文字のための一幕のパントマイム」)
さて、「詩の強度」というものを考える。これもまた論者によって諸説あるだろう。私は詩の強度というものを、どれだけ強度のある理論によって支えられるか、によって測ろうと思う。先述したように、詩は単に感覚されるだけではなく、何らかの知的な営みと共に享受されるとき
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