詩を救うための音楽??榎本櫻湖『増殖する眼球にまたがって』/葉leaf
それらとは異質な衝撃力を見て取って、現代詩に魅せられていく若い世代もまた少なからずいるのである。大切なことは、現代詩がそのような異質な衝撃力を保ち続けること、そして、現代詩が安易に消費されないだけの内的な構造と強度を保ち続けることにより、社会の多様性と不均質性を保ち続け、社会を活性化することだと思われる。
2.榎本櫻湖『増殖する眼球にまたがって』
……蠢動と顫動のさなかに滴る蜜月の、海洋へととめどなく流れゆく吐血による櫛水母の残骸を集め、瀕死の刺胞生物から他の刺胞生物へと伝達される、ありうべき脱臼、帯状に引き延ばされていく虚ろな風浪は、剝落する樹皮の内側でどよめく樹脂に絡
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