予感。/駒沢優希
 
そう、人は何らかの形でいってしまう
それならば
ひとりでいることに慣れておく方が楽なのだ

あのとき
二人は同じ夢を見たかもしれない

寂しさを褥(しとね)に

黄昏を枕にして

セルロイドのように
不透明な
明日の予感に
ふるえながら

互いの内に
同じ夢を見ていた

これ以上
甘美な時間があるだろうか

星は瞬いていた

二人の子供は
こんなにも
よく似ていると

戻る   Point(3)