彼女たちの事情 〜愛しすぎる女たちのうたう詩〜/涙(ルイ)
 
い必要ないと放り出されてそれっきり
どうして どうしてなの ねえどうしてよって
応えてくれる人もないから結局自分に問いかけるしかなくて
束の間でもこの心の空白を埋めることができるものならなんだって
それがたまたま クスリでありお酒であり潔癖になることであり
リストカットであり 食べ物であり 嘘であり 買い物であっただけのこと
誰がそれを責められるというの
誰がそれを嘲笑えるというの
生きなけりゃいけないと 
それが生まれたものの義務だと人は云う
云うだけなら誰だって出来るのよ
責任がないからなんだって云えるのよ
望まれて生まれてきた者もいれば
誰にも祝福されずに生まれた者
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