冬の四角形/空丸ゆらぎ
(傘の滴を落としながら)
そこから抜け出すためには
入口を探すしかないのですが、
誕生や死という非日常に囲まれて
小さな日常があるのですが、
強い雨の中 物質と観念をつなぐものは
ぼくの実践しかないのですが、
(大きな欠伸を空に翳して)
のんびりした題名に
思わず深呼吸する
空の大きさと世の中の小ささを対比して
否、
大きな欠伸がでるほどの余裕を
疲れ切った自分に言い聞かせ、
(風が吹いていてもいいけど)
舞台から降りて
観客になるのもいいけど、
劇場を抜けて
街を彷徨うのもいいけど、
その街を飛び出し
車窓に揺れるのもいいけど、
改札口を出て、風が吹いていてもいいけど、
(日曜日 午前8時 快晴)
鏡に映った空を
鳥が横切っていく
思わず鏡を動かし
鳥を追いかける
ちらりと鏡を見た鳥は
一瞬よろめき 一目散で
消えてしまった
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