ワールドエンブリヲ/ゴースト(無月野青馬)
 
生地の中に
爆薬も隠せないこと
そもそも
爆薬を調達出来ないことで
憂鬱になる朝を
「パン職人」は
多分100回は迎え
「パン職人」は
工房で
結局、自分は「世界」に何の影響も与えないだろうと
多分100回目の確認をし

都市に
送られるエネルギーを中継する
電信柱の影に
見習い時代に餌付けしていた「猫」が寝転んでいた気がして
「パン職人」は
電信柱の影を二度見する
今日の、
多分100回目の憂鬱が立体化したのかも知れないと
思えたのだった


けれど
見ると
「猫」は
消えていて
「パン職人」は
ただ、本心の要求を1日の内に二度確認しただ
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