拝啓ハッブルより/
カマキリ
夜とともに減っていく
時間を受け付けないけものたちの
踏みしめた道がまっすぐ見える
悲しみはすべて
地下鉄を通る行き場のない風に送り
手のひらに
季節のない球を乗せて
鳥からの便りを待つ
過去に忘れられたものがあるとすれば
それは
寄る辺のない体温
いつか無意味な夢に変わってしまっても
ちりちりと
目の奥で焦げ続けていくのだろう
また望遠鏡に手を伸ばして
遠くの街灯を数えている
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