言葉の霧に巻かれて/yuugao
 
指先のくぼみが赤い
神経は気まぐれで 思い出し痛み
肉のクッションは誰のもの
せめて骨くらいは 自分のものにしたい

とてもよさそうな歌声が
突然 僕に覆いかぶさってきた
駄目だ ここからは照れくさい

いつもそうやって話をそらすから
みんなどっかへ いってしまうんじゃないか
でも 行方不明のほうが気が楽なんだ

みんなと違うのも嫌で
みんなと同じになるのも
なんだか凄く いや

残り物になりそうにない あの歌声にあこがれる
言葉は残り物
くぼみは痛みを憶えるところ
それでも くぼみの下にある白を頼りにしている

そういう言い方 永く続かない
ああいう言い方 長く続くと思ってた
だから
こういう言い方 続けるくらいしかない
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