かみさまのガチャガチャ/一尾
 
めに三回としたが、本当は半日くらい掛けてガチャガチャするのではないだろうか。存在を与えられるに至って私たちは壁の白く塗られた狭い部屋に通され、冷たい床にぽつりと置かれてあるガチャガチャをひたすら回す。出てくる色とりどりのカプセル、カプセル、カプセル、カプセル。緩い曲線の中に守られているのは「天性」で、そこで私たちは才能や親や睫毛の本数などを決められ、生まれてくるのだ。
 世の中には理不尽なことが多い。そしてそれは大体自分ではどうしようもない事ばかりだ。そういうとき、私はこのガチャガチャ論に帰依して自分を慰めることにしている。「ガチャガチャでひいちゃったから仕様がないか」もしくは「ガチャガチャでひ
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